タバタビトのフィンランド

タバタビト(tavatabito)は、あくまでも「イチ・フィンランドファン」という観点から、
主にフィンランドの文化的なことを伝えています。
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    トイレ(シリーズ:フィンランド語講師がみたスオミ)
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      タバタビトでフィンランド語のオンライン講座を担当する本多雄伸先生。
      先生の初渡芬は1967年!約50年前の話となります。
      これは、貴重なお話がいっぱいあるに違いない!ということで、
      シリーズ化して、先生のお話を伝えていきたいと思います。

      3回目のテーマは「トイレ」です。
      どうぞ、お楽しみ下さい。

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      タバタビト:今回は、どんな旅のスタイルであっても必ずお世話になるトイレについておうかがいします。約50年前の経験ですから、現在フィンランドを旅してもなかなか出会えないことがあったのではないかとワクワクします。

      本多:はい。まずはフィンランドに入国する前の話なのですが初めての渡航(1967年)で、ナホトカからハバロフスク間のシベリア鉄道に乗っている時のことです。トイレに行ったのですが、閉っていました。表示はロシア語なので何と書いてあるか分かりません。ドアをノックしても返事がありません。
      人は、自分が育った環境が世界共通だと思い込むものです。ドアをノックしたら先住者はノックを返すのが日本のやり方で、どこでもそうするものと思っていました。

      タバタビト:私もそう思っていました。

      本多:なので、またノックをした。返事がない。これを数度繰り返すと熊のような大きな男が中から現れ、ロシア語で怒鳴られました。それはそれは怖かったです。

      タバタビト:そんな習慣がないところでは、ドアを何回も叩かれて不快だったのでしょうね!
      それで思い出したのですが、フィンランドに観光で滞在すると「有料トイレ」を使う機会も多いですよね。
      そこで、私も日本では経験したことのない場面に遭遇しました。
      そこはドアを開けるのにお金を投入するタイプのシステムで、トイレから出てきた人が次の人にドアを閉めずに引き渡してくれて、つまり次の人がお金を払わなくても利用できるようにしてくれる暗黙の了解ルールがありました。
      これも、最初に遭遇した時は一瞬なんのことだか分からなかったのですが、前の人に習って、私も次の人にはドアを開けたままでパスしていました。観光地などで列ができやすいトイレではこのようなことがよく起こっていましたが、知らずに閉めてしまうと、次の人がお金を払わなくてはいけないので(それが正当なルールなのですが)ちょっとヒンシュクを買いますね(笑)

      本多:そうですね。日本では有料トイレに入る機会は少ないので、そういうこともあるでしょう。

      タバタビト:さて、他にも先生が経験なさったトイレのルールはありましたか?

      本多:これは、上下水道完備の都会の住宅地を除く田舎での話です。悪臭や衛生面のことを考えてのことでしょうが、トイレは屋外と決まっています。
      トイレを使う時は、自宅から大きな鍵を持って行ってドアを開けます。ドアには取っ手がないので、鍵を取っ手代わりにドアを引き、そして鍵を鍵穴に引っ掻けたまま使用し、その鍵が使用中の印なのです。

      タバタビト:へぇ〜そうなのですか。現在でもサウナコテージに行くと屋外にいわゆるボットン便所がありますね。私のホストファミリーのコテージもそうです。ただ、そこは小さな窓があってトイレに人が座ると顔が見えるので、そのようなルールはありませんでした。
      *下記はコテージの動画です。小さな窓がついたトイレも紹介しています。




      タバタビト:それにしても、なんとなく鍵をさしたままにしておくことは、教えられないとできませんよね。

      本多:そうなのです。ルールを知らぬ私は、鍵を持ったまま入り、用を足していたら寮の住人が入って来て開けられてしまったということがありました。目と目が合った時のバツの悪さは忘れられません。


      タバタビト:確かにとても気まずい状況ですね。

      本多:次にケラヴァ(Kerava)を引き上げてヘルシンキに引っ越し、住んだところは西パシラ(Länsi Pasila)でした。今では綺麗なマンションが建ち並ぶ住宅街ですが、1968年当時はヘルシンキの未開地で、崩れそうな木造家屋がひしめき合う貧民街。トイレはご多分に漏れず屋外でした。



      Eevankatu, Länsi Pasila 1972年夏


      タバタビト:今のパシラからは想像もできません!

      本多:ヘルシンキでも真冬は、−2025℃ぐらいまで気温が下がります。それでも大の時は、襟巻をし、オーバーを羽織り、帽子をかぶってイザ鎌倉という心持ちでトイレに臨みます。鍵と、夜は懐中電灯を持って出陣です。
      丸く開けた便座の蓋を開けると冷たい風が吹き上がり、特に強風の日はつらい。便座に座るのに勇気がいるほどです。座ってしまえば便座は木製なので冷さは慣れてきます。

      タバタビト:寒いのに屋外トイレ想像を絶する大変さですね。

      本多:ところが良い点もあって、水分はすぐに凍りつき、臭いも出ないのです。

      タバタビト:なるほど。

      本多:反対に、春の雪解けの時を想像してみてください。

      タバタビト:うっ、とてもイヤな雰囲気が伝わってきました(笑)
      トイレはどんな旅でも経験しない人はいないですからね、色々なエピソードをお聞かせ頂きありがとうございました。


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      本多先生が担当するフィンランド語講座。
      オンラインで全国どこにいても学習できる初級と、
      添削でフィンランド語を深める中上級があります。

      <初級>

      http://tavatabito.net/suomea-lv1.html
      <中上級・添削講座>
      http://tavatabito.net/suomea-lv2.html

      【本多雄伸先生のプロフィールはこちら】
      http://tavatabito.net/suomea-opettaja.html

       
      | タバタビト | コラム:フィンランド語講師 | 21:36 | - | - |
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